Geopolitic
日本人の小さな島国という誤認と責任(第1回)
東京湾から見える「小国」という錯覚 6月の朝、東京湾のLNG受入基地に白いタンクが並び、外洋からのタンカーが岸壁に近づいた。積み荷は日本国内で産出されたものではない。中東、オーストラリア、アメリカ、東南アジアから、契約と信用で引き込んだ燃料である。首都圏の灯り、工場炉、家庭の給湯器は、こうした船の到着を前提に動いている。 問うべきは、なじんだ自己卑下ではない。日本とは実際にどのような国として運転されているのかである。日本人は自国を資源が乏しい、小さな島国、人口減少国、平和国家、失われた30年の国と表現しがちだ。控えめさとしては機能するが、地理、経済、マーケット、外交を読む尺度として使えば危うい。 日本は万能の大国ではない。人口減少、低成長、エネルギー依存、財政制約に直面している。だがそれは小国の問題ではない。より正確には、日本は制約下の大国である。小さいから弱いのではない。縮小しながらも大きさを保ち、国内資源を持たずに買い続け、大きな国内市場を抱えたまま世界市場に入っていく国である。 陸地だけ見ても日本は小さくない 日本の国土面積は約37万8,000平方キロメートルであり、